洋書を読むために必要な能力

洋書を読むために必要な能力は、次の二つの能力です。

1)語学力
2)読書テクニック

このうち、読書テクニックについては後ほど解説しますので、ここでは、どのようにすれば語学力をつけられるかという点に絞ってお話ししたいと思います。といっても、細かい語学力のつけ方については、他にいくらでも本やウェブサイトがあるでしょうから、ここでは、敢えて私が個人的に重要だと思ったポイントに絞ってお話しすることにします。

第一に、何でもそうですが、目標を明確に定めるということがたいへん重要になります。つまり、自分がどうなりたいかという状態をまず最初に決めるということです。この意味で、語学をマスターする場合には、「その語学をマスターしている状態」というものが一体どういう状態なのかというものを、実際に見て認識しておくことが重要です。

一旦目標となるものを耳目に焼き付けると、それに向けてどのような努力をすればよいのかという経路が自ずと分かるようになります。おそらくすぐには分からないと思いますが、無意識を含めて自分の頭と体が自然とそういう動きをするので、大丈夫です。これは、何だかいい加減なことを言っているように思われるかもしれませんが、実際にいろんな人がそう言っていますし、私もそう思います。

この点について詳しいことを知りたい方は、以下の文献を読んでみてください。メカニズムを含めていろいろ得るところがあると思います。
  • ナポレオン・ヒル『思考は現実化する』(きこ書房)第2章
  • ボード・シェーファー『イヌが教えるお金持ちになるための知恵』(草思社)第2章
  • 神田昌典『非常識な成功法則』(フォレスト出版)冒頭~120頁

逆に、これがないと、いくら勉強しても、いくらテープを聴いてもちっとも上達しません。

そういう意味で、まずは、実際にその言語が使われているところを目の当たりにすることが、語学をマスターするための第一歩といえます。これには、いくつか方法があります。

1)ネイティヴが日本語を全く使わずに教えている語学学校に行く。
2)海外旅行をする(普通の人がするような観光地巡りの旅行ではなく、言語を話している人々を観察し、また自分でも実際に使ってみることが目的の旅行)。
3)日本国内の外国人と触れ合える場所に行く。

目的さえ達せられればどれでも良いわけですが、おそらく1~3すべてを組み合わせるのが最も効果的でしょう。

第二のポイントですが、性欲を利用するということです。具体的には、その言葉をネイティヴで話す人を彼女なり彼氏なりにすると、物凄い速度で語学が上達できるということです。

そもそも人間の性欲というのは、人間の動物としての生殖本能に根ざしていますので、人間の三大欲の中でも特に強いエネルギーを発揮します。愛しいセックスの相手とコミュニケーションしたいという欲求は何物にも替え難い強力な欲求ですので、このエネルギーにより、どんな複雑な活用や格変化を覚えることも苦痛ではなくなります。むしろ楽しくて仕方がありません。これは、実際に多くの人が体験していることで、その道の人々の間ではかなりよく知られた話なのですが、一般には余り知られていないようです。

別に彼氏・彼女でなくとも、異性の友達とたくさん遊びに行くとかでもいいです。とにかく、何らかの形で異性とのコミュニケーションの手段として外国語を使用すると、上達の速度が速まるということは認識しておいてください。ピーター・フランクルの『ピーター流外国語習得術』(岩波ジュニア新書)には、この手の話が数多く出てきますので、チェックしてみてください。

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