洋書の探し方・選び方

本の探し方・選び方というのは和書の場合にも大切ですが、洋書の場合には、和書にもまして大切です。なぜなら、海外に発注する場合には購入前に手にとって読むということはできませんし、また、洋書は一冊にかける時間が和書に較べて長くなりますので、その時間をかける価値が本当にあるかどうかを事前によく判断しておく必要があるからです。

自分のニーズにマッチした洋書を探すには、以下の方法があります。

1)その道の専門家に聞く

研究室にいると、研究室の先生や先輩に聞くというのが最も手っ取り早い方法です。私も、研究室の先生や先輩には、たくさん良い本を教えていただきました。大学の学生などでも、講義やゼミの先生に聞けば教えてもらえると思います。ただ、研究室や大学に所属していないとなかなかそういう機会はないかもしれません。また、研究者の場合にも、どうしても教えてくれる人のバイアスが入りますし、そもそも人に聞いてばかりでは自立した研究者としての資質が養われませんので、この方法に依存しすぎるのは勧められません。

2)芋蔓式

面白いと思った本や論文の参考文献リストや註釈に掲げられているものを、芋蔓式に読んでみるという方法です。自分の興味関心にマッチした本や論文については、それが土台とした洋書もたいてい自分の興味関心にマッチしますので、割と成功率の高い方法だと思います。

3)カタログから選ぶ

研究室にいたころは、ナウカや極東書店といった洋書輸入業者の新刊目録が定期的に郵便受に抛り込まれていました。これを眺めていると買いたくなる本は割と多いです。ただ、基本的にタイトルだけで判断せざるを得ませんので、失敗する可能性も高いです。買ってはみたものの結局まったく読まなかったという本も少なくありません。

4)書評欄・書評誌

とりあえず書評を読んでみて、興味を惹かれた本を買ってみる、というのは割と成功率の高い方法です。一般的なものであれば海外の新聞の文化面の書評欄などが参考になるでしょうし、専門的なものであれば、内外の専門誌の書評欄が参考になるでしょう。アメリカには『New York Review of Books』のような書評専門誌もあります。

5)アマゾン

アマゾンの書誌データとカスタマーレビューを見て買うのも、賢い方法です。とりあえずレビューを読んでみて「良さそうだな」と思ったものを買えば、成功する確率はかなり高いといえます。最近では、表紙の画像があったり、中身が少し読めたりするようになって、さらに選びやすくなっています。また、検索機能が使えるのも便利な点です。

6)その他のインターネット

その他にも、インターネットを利用するといろいろな可能性が拓けます。例えば、ネット上の掲示板や質問箱で質問してみるという方法が考えられます。また、ある程度目星がついている場合には、著者が個人的に運営しているサイトや、出版社のサイト、本のレビューを書いた個人ブログなど、参考になる情報をインターネットで集めて判断することもできます。

7)立ち読み

洋書専門店で立ち読みをしてみるというのも有効な方法です。ただ、どちらかというと一般的な品揃えになっていて、専門書となると取扱数は限られていますので、専門的な知識を求める方にはあまり役立たないかもしれません。

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